物価高・猛暑・混雑——今夏の旅には、例年以上に「動き方の工夫」が求められています。JTBやエクスペディアの最新調査が示す旅行者行動の変化、ホテルを賢く使うテク、涼しい穴場の選び方まで。今日から使える視点をまとめました。
「混雑を避けて動く」が今夏の最大トレンド
JTBが7月2日に発表した2026年夏休みの旅行動向調査によれば、旅行を見送る最大の理由は「夏休み期間は混雑するから(29.2%)」。実際、ピークシーズンを外して夏休み前後に旅行するいわゆる「ずらし旅」への関心が高まっており、「夏休み前後にだけ行く」層は前年から増加傾向にあります。7月前半や9月のシルバーウィーク前後を狙って動けば、料金も混雑度も大きく変わります。旅程を数日前後にずらすだけで、同じ旅先でも別世界のように快適になることを覚えておきましょう。
国内旅行の「意外な注目株」、滋賀・群馬が急伸中
エクスペディアの検索データ(2025年→2026年同期比)で、東京の前年比48%増、箱根51%増が注目される中、滋賀県(32%増)や群馬県(22%増)といった「都市周辺の自然・温泉エリア」が急上昇しています。アクセスの良さと涼しさを兼ね備えたこれらのエリアは、猛暑を避けたい旅行者にとって理想的な行き先。夏の北海道ニセコも観光客が少なく、ラフティングや温泉をゆっくり楽しめる穴場シーズンとして知られています。「どこへ行くか」より「人が少ないエリアを選ぶ」発想が、今夏の旅を格上げするポイントです。
猛暑に勝つ「時間帯旅行術」——早朝・夜間を味方に
JTBの調査では、今夏の旅行で重視することとして「暑さを避け、屋内施設での観光や体験を楽しむ(15.8%)」が上位に入り、早朝・夜間の涼しい時間帯を活用した観光への関心が高まっています。たとえば奥入瀬渓流は昼間に観光バスが集中するため、霧がかかる早朝に訪れると人が少なく別格の美しさを楽しめるといった声も。観光地での行動を早朝か夕暮れ以降に集中させ、日中はホテルや水族館・美術館などの涼しい屋内施設で過ごすというプランニングが、今夏の「賢い旅」の基本形になりつつあります。
アーリーチェックイン&レイトチェックアウト、賢い活用法
暑い夏の旅において、ホテルの客室を「避暑基地」として最大限活用するために注目したいのがチェックイン・アウト時間の工夫です。アーリーチェックインの料金相場は1時間あたり1,000〜2,000円程度(室料の10%が目安)が一般的ですが、ホテルの会員プログラムに登録すれば無料で利用できるケースも少なくありません。また、予約時にプランとしてセットになっている場合は個別に依頼するより割安になることが多いため、予約の段階で確認するのがおすすめ。フロントへの当日依頼は空室状況次第のため、前日までに相談するのが確実です。
「メリハリ志向」が今夏の旅の新常識——削るより「かける場所」を選ぶ
JTBの分析では、今夏の旅行者は「節約志向を持ちながらも、自ら価値を感じる体験にはしっかり支出を維持するメリハリ志向」が顕著とのこと。旅行日数は「1泊2日(39.0%)」が最多で、近距離・短期間にシフトしつつも、旅先での「花火大会などの夏限定イベント参加」や「リカバリーツーリズム(心身の回復目的)」に積極的にお金をかける傾向が見られます。交通や宿泊を抑えてでも「その場所にしかない体験」に予算を集中させる。この発想の転換が、物価高の夏旅を最大限楽しむ鍵になります。